なぜ、私は今でも強くなりたいのか?

私は50歳を過ぎた今でも強くなりたいと思っています。

こういうことを言うと、

「まだそんなこと言っているんですか?」

と言われることがあります。

確かにその通りかもしれません。

20代の頃より体力は落ちていますし、回復力も違います。

若い頃の自分より強くなれるとも思っていません。

それでも私は強くなりたいと思っています。

なぜそう思うのかと聞かれると、正直よく分かりません。

ただ、そう思うのです。

子供の頃、私はタイガーマスクが好きでした。

アントニオ猪木も好きでした。

ブルース・リーも好きでしたし、ジャッキー・チェンも好きでした。

ドラゴンボールも夢中になって見ていました。

当時の男の子なら、似たような経験をした人も多いのではないでしょうか。

強い人に憧れる。

強くなりたいと思う。

私にとってはごく自然なことでした。

今思えば、それが空手を始めるきっかけだったのかもしれません。

もちろん当時はそんなこと考えていません。

ただ漠然と、

「強くなりたい」

と思っていました。

そして不思議なことに、その気持ちは50歳を過ぎた今でも残っています。

最近は、

「競争しなくていい」

「ありのままでいい」

という考え方もあります。

それはそれで素晴らしいと思います。

私も否定するつもりはありません。

ただ一方で、

「強くなりたい」

「上手くなりたい」

「勝ちたい」

という気持ちも、人間にとって自然な感情ではないかと思っています。

少なくとも私はそうです。

例えば女性が、

「キレイになりたい」

と思うことがあります。

もちろん男性にもありますが、女性の方が強いかもしれません。

健康になりたい。

若々しくいたい。

素敵になりたい。

そう思うことは自然です。

私は男性にとっての「強くなりたい」という気持ちは、それに近いものがあるのではないかと思っています。

もちろん全員ではありません。

興味がない人もいるでしょう。

ただ、私自身はそうでした。

だから今でも筋トレをします。

空手の稽古もします。

新しいことを学びます。

もちろん昔のようにはいきません。

若い頃のように身体は動きません。

怪我もしやすくなります。

疲労も残ります。

でも課題は見つかります。

新しい発見もあります。

サッカーの三浦知良選手が、

「今でもサッカーが上手くなれる気がする」

というようなことを話していました。

私はその感覚がよく分かります。

もちろん20代の選手のようには動けません。

でも、

「もっと良くなる方法はあるんじゃないか」

と思うのです。

空手も同じです。

もっと良い突きがあるかもしれない。

もっと良い身体の使い方があるかもしれない。

もっと良い指導法があるかもしれない。

そうやって考えていると終わりがありません。

だから続いているのかもしれません。

「なぜ空手をやるのか?」

と聞かれた場合、その理由はいくつかありますが、一番根っこの部分にあるのは、この強さへの憧れです。

空手によって礼儀も学べるでしょう。

努力も学べるでしょう。

継続する力も身につくかもしれません。

ただ、私はそんなことを思って空手を始めたわけではありません。

ただ、シンプルに強くなりたかった。それだけです。

そして今でも、

強くなりたいと思っていますし、この気持ちはたぶん死ぬまで変わらない気がします。

そして、その気持ちを持っている人は、決して少なくないはずです。

強くなりたい。

上手くなりたい。

勝ちたい。

そう思うことは悪いことではない。

それだけが人生ではないけど、それらの気持ちは人を前に進ませる大切な力だと思います。