子供たちに身につけてほしいこと
私が空手を始めて30年前は空手の道場では大人が8割でした。
しかし、現在の空手は少年部がメインです。(大人はどこ行った??)
では、空手を通じて子どもに何を伝えたいのか、と考えると意外と難しいのです。
一般的な空手の道場では多分
礼儀とか、挨拶とか、集中力とかそんな感じだと思います。
もちろんどれも大切です。
ただ、
一つだけ選ぶとしたら、私は『自己肯定感』という言葉を選びます。
ちょっと曖昧かもしれないけど、自分自身を認める能力、というか、そんな感じです。
この自己肯定感という言葉はよく聞きますが、正直あまり好きな言葉ではありません。
なんとなく、言葉だけが一人歩きしている感じもします。
「あなたはそのままで素晴らしい」
という話になることもあります。
もちろんそれも大切かもしれませんが、私は少し違う考え方をしています。
私は、
何もしていないのに自己肯定感が高くなるとは思っていません。
「今のあなたのままでいいですよ。」みたいな、そんな甘い言葉でないと思っています。
やはり何かを頑張る経験が必要なんじゃないかと思っています。
努力して、できなかったことができるようになった。
続けた、乗り越えた。
そういう経験があって初めて、
「自分は大丈夫だ」
と思えるようになるのではないかと、私はそう思っています。
例えば空手の稽古でもそうです。
最初は誰でもできません。
突きもできないし、蹴りもできない。
組手も怖い。試合なんてもっと怖い。
でも、少しずつできるようになります。
白帯だった子が、
青帯になり、
緑帯になり、
茶帯になり、
そして黒帯を目指すようになります。
その過程で、
「自分にもできるんだ」
という感覚が生まれてきます。
私はそこに価値があると思っています。
そういう努力によって、自己肯定感が育つ部分はあると思っています。
ただ、
それは空手が特別だからではありません。
野球やサッカー、バレーその他の競技でも同じです。
勉強でも何でも何かを頑張って、成長を実感できた時に人は自信を持てるのだと思います。
ただ、私の場合は、空手が得意だったので、空手を通じて自己肯定感を高めたい、と思っています。
これは、運動教室でも同じです。
弊社の運動教室はアスリートをつくるためではありません。
できないことが、できるようなること。
運動が苦手っていうだけですべてに自信が持てない、なんてことにならないように、学校体育で困らないようにしておこう、
そういうコンセプトでやっています。
学校体育の多くはスキル学習なので、やればできるようになることがほとんどです。
ある意味、自己肯定感を感じやすいのです。
実はそういう意味では、空手は難しいのです。
空手はかなり器用に身体を使うことが要求されます。
また、面白くない稽古を繰り返しする必要もあります。
しかし、空手は空手で良い面もあるのです。
それは目標設定がしやすいという良さです。
帯級審査があり、試合もある。
成長が見えやすいのです。
だから子供たちも頑張りやすいのです。
私は空手を通じて、
「自分は努力できる人間なんだ」
「自分は続けることができる人間なんだ」
と思ってほしいと思っています。
人生には色々なことがあります。
受験もあって、就職もあります。
当然、その中で失敗や挫折もあるでしょう。
人間関係で悩むこともあります。
仕事で苦しむこともあります。
空手をやっていれば、そういう問題がなくなるわけではありません。
空手にそんな魔法みたいな力はありません。(笑)
でも、空手を続けた経験や頑張った経験は残ります。
試合で負けて悔しかった経験も残ります。
そういう経験が、
人生のどこかで役に立つことはあると思っています。
私はそこに子ども時期に空手をする価値を感じています。
空手が強い人になってほしいわけではありません。
人生をしっかり生きられる人になってほしいのです。
空手はそのための一つの手段です。
空手で強くなることが目的ではありません。
強くなるために努力をすることが大切なのです。
私はそう考えています。
そしてもし、空手を続けたことで強くなれた、自信がついた、前向きになれた。
そう思ってもらえたら、それだけで十分価値があると思っています。
ちょっと誤解しないでいただきたいことは、試合に出て勝つことも大切だということです。
前回から、試合の勝ち負けは気にしないでいい、と言っていますし、それはそうなのですが、指導者として、勝つために指導はしっかりとしていきます。
せっかくなら勝ちたいですからね。
勝てば自信になるし、負けても努力したことはプラスになります。
そして、実際ここで練習すれば試合で勝てるようになると思います。
強くなるも弱くなるも指導者次第です。
ここには強くなるための環境はあります。
あとは保護者の方と二人三脚でやっていくことで、子どもの成長を一緒に感じることができます。
試合が全て、試合至上主義ではありませんが、それでも勝つことはできます。
練習は厳しいし、きついですが、それを乗り越えることが大切なのです。
そのためには保護者からの励ましや、協力は不可欠です!
子どもの時期なんてあっと今です。小学校はたった6年。中学までやっても9年です。
あっという間に過ぎていきます。
空手を通じて、お子様の成長のお役にたつことができれば、と思っています。
