強さとは何か、を考える。
ここまで何度も「強さ」という言葉を使ってきました。
では強さとは何でしょうか。
正直、これは難しい質問です。
私は空手を長くやっていますし、指導もしてきました。
それでも、
「強さとは何ですか?」
と聞かれると少し困ります。
なぜなら、人によって強さの定義は違うからです。
例えば、
どんな相手でも倒せる力。
これは間違いなく強さだと思います。
実際に格闘技の世界では、それが評価されます。
試合に勝つ。
相手より強い。
それは一つの強さです。
では、それだけでしょうか。
私はそうは思いません。
例えば、
人から悪口を言われても感情的にならない人がいます。
冷静に受け流せる人がいます。
そういう人を見ると強いなと思う
また、
自分が間違っていると分かった時に、素直に認められる人がいます。
そういう人も強いと思います。
逆に身体は強くても、感情をコントロールできない人もいます。
すぐ怒る人もいます。
威張る人もいます。
そういう人を見ると、本当に強いのかなと思うことがあります。
そういう意味でも、強さというのは単純な腕力の強さではありません。
もちろん身体的な強さは大切です。
そこは大切にしたいと思っています。
もし家族が危険な目に遭った時、
何もできないよりはできた方がいい。
自分の身を守れないよりは守れた方がいい。
私はそう思っています。
だから身体的な強さには価値があります。
ただ、それだけでは足りないとも思っています。
例えば、
怖いことから逃げないこと。
試合もそうです。
試験もそうです。
大事なビジネスの商談もそうです。
誰だって怖いし、失敗したくありません。
でも、それに向き合うことも強さの一つだと思います。
ただ、一方で逃げる勇気も強さです。
怖いときに、その場から逃げることも強さです。
例えば街で誰かにからまれた。
相手より強くても弱くても、そんなものは逃げればいいと思っています。
意味のない争いに巻き込まれそうになったら離れればいい。
「逃げたら格好悪い」「臆病と思われる」
そんなつまらない見栄は、強さではありません。
結局のところ、
強さというのは状況によって変わるものなのです。
私自身、
今でも答えは出ていません。
ただ、一つだけ思うことがあります。
本当に強い人は強さをアピールしないということです。
これは空手を続けていて感じることです。
少し強くなった人ほど、自分が強いことを周囲に見せたがります。
威張ったり、マウントを取ったり、人を見下したりします。
でも本当に強い人は違います。
自分が強いことを自分自身が分かっています。
だから他人に証明する必要がありません。
私はそれが本当の強さに近いと思っています。
本当のお金持ちが意外と普通の車に乗っていたり、マクドナルドに行ったりするようなものかもしれません。
彼らにとってお金を持っていることを人にアピールする必要はないのです。
「優しい人は強い人だ」
と言われます。
弱い人ほど攻撃的になることがあります。
「弱い犬ほどよく吠える」という言葉にもありますよね。
それは自信がないからです。
認めてもらいたいからです。
本当の自分より強く見せたいからです。
でも本当に強い人は、
わざわざ自分を大きく見せる必要がありません。
だから余裕があります。
だから人に優しくできます。
私はそういう人になりたいと思っています。
そして生徒にも、
そういう人になってほしいと思っています。
空手が強いだけの人ではありません。
試合で勝つだけの人でもありません。
身体的にも強く、自分を律することができ、周囲から信頼される人です。
空手というのは、そういう強さを手に入れる良い手段の一つだと思っています。
もちろん空手だけではありません。
野球でも学べるでしょう。
サッカーでも学べるでしょう。
仕事でも学べるでしょう。
ただ私は空手を通してそれを学んできました。
だから空手を教えています。
そして今でも、
自分なりの強さを探し続けています。
今だに「本当に強さとは何か?」は分からないんですけどね。
